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インタビュー

Vol.11 鶴丸 番組を探す楽しみ

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがう「Podcast界隈」。11回目となる今回は、ポッドキャスターの鶴丸さんにお話を伺いました。

鶴丸さんは、ご自身の番組「mokomokoVoice」の中で様々なポッドキャスト番組を紹介されるなど、多くのポッドキャスターの方々と交流されています。

コメントを声で返す

まずは、ポッドキャストを始めたきっかけを教えていただけますか?

最初は、テキストのブログをやってたんですよ。それで、他の人のブログにコメントを書き込むのも好きで。 その当時はデスクワークが多くて、自由な仕事だったんで返信も速かったんです。

そのブログをやっている相手が私の書いたコメントに対して 書き込んでくれたら、またすぐに返事を書き込むという感じで。 コメントでチャットをしてる状態ですよね。

そんな風に書き込んでるブログが200ぐらいあったんです。 その相手の方たちも自分のブログに遊びに来てくれてたんですけど、コメントの数がすごいんです!

コメントの数というと?

うちのブログに来るコメントの数ですね。それがすごい数になっちゃって。 それをテキストで書いてると仕事にならなくなっちゃったんですよね。。

人のところには、ちょこちょこっと一言二言の短い文章しか書かないから、 仕事やりながらでも瞬間的にエンターキーを押してって感じで、比較的仕事に支障はなかったんです。

だけど、自分の所にくるコメントに返事を書くときには、一人に1行ずつ書いても結構な時間とられちゃったりしたんですよね。

200のブログからコメントが来たりするんですか?

いやー、さすがにいっぺんに200は来ないですけど、 それでも10人以上になると結構な時間になるんで。 それでまずいなーと思って。

で、ちょうどブログをやっていた知り合いが、ネットラジオのストリーミングみたいなのをはじめたんです。 その時に「あれ?!インターネットってこんな風に声なんかを配信できるんだ!」と思って 色々調べていったら、iTunesがポッドキャストに対応するってことになるころで。 その頃に、ちんさんがバンバン番組をあげていたので、それで勉強させてもらったりして。

だから、ポッドキャストを配信する最初の目的はコメントを声で返すということだったんですよね。

「みなさん、コメントありがとうございます。音声で答えてますので」ってことで、 ケロログのページに行ってプレイヤーを再生してもらうという。 最初はそんな感じで、コメントに対する返事しかしてないんですよ。

知らない人たちをつなげちゃおう!

コメントを声で返すためにポッドキャストを始めたって言うのは、面白いきっかけですね!

「mokomokoに来てくれてありがとうございました。鶴丸と申します」 って最初に第一声を出したときに、 私が関連したブログの方から 「おっ!実在した人物だったんだ!ほんとにいるんだ!」 ってことですごく喜んでいただいて。

それで調子にのって(^^; 私のところに来る人でも、 コメントですれ違ってるけど、お互いは知らない人達って多いじゃないですか。 どうせだったら、それの人たちをつなげちゃおう!ってことで、一つ一つのコメントを紹介しながら、 この人ってこういうブログをやってるんです、ってゆーのを番組に盛り込んでいったんです。

鶴丸さんの番組「mokomokoVoice」を聞かせていただいてるんですが、 人と人とのつながりをすごく大切にしてらっしゃるんだな、というのを感じましたよ。

例えばブログにコメント書いて、お互いにコメントやり取りしてるとなんとなくお互い知った気になれますよね。 あぁ、なんとなくこんな風なコメントを書く人なんだなっていうので分かったような感じがして。 それで、テキスト越しに相手をさぐるとゆーか。ここまでは冗談言っても大丈夫なのかなとか。 そーゆーのをコメントにすこしずつ盛り込みながら、お互いにつながっていくという。

そういうダイレクトなつながりもあるんですけど、 私がAさんとつながっていて、私がBさんとつながっていて、 お互いは知らないはずだったのに、自分を媒体にしてAさんとBさんが つながっていったりするのを見るとすごい感動するんですよ!

気がつけば、BさんのサイトにAさんがどんどん勝手にコメントを書き込んで 盛り上がってるのをみると、なんか鳥肌立つほどうれしいんですよね!

そういうことって、結構あるんですか?

ポッドキャストをやるようになってからは特に多いですね。

オレ自体、結構「勘違い人間」なんで。 オレがAさんと知り合いで、また別のところで知り合ったBさんがいたとすると、 勝手に当然AさんとBさんは知り合いなんだろーナと勘違いしちゃうんですよ。

実はAさんとBさんはまったく関係なくって、 会わせた後で、二人が「はじめまして」なんてゆー挨拶をしてるのを聞いて、 あれ?オレなんか失敗しちゃった?知ってる人同士じゃなかったの? まいっか!みたいな。(笑)

人と人とがつながっていくということ以外にもポッドキャストの魅力ってありますか?

テキストとは明らかに違って、音声って表現力が豊かだと思うんですよね。 例えば「おもしろいね」ってこと一つとっても、喋り方ひとつでぜんぜんちがうじゃないですか。

自分がテキストではもどかしくて表現しきれない、相手に伝えきれなかったものっていうのが、音声ですごく簡単に伝えられる。 こっちの楽しさとかつまんなさとか、イライラ度合とか、ありとあらゆるいわゆる喜怒哀楽を表現するのにはもっとも適したツールだと思うんですね。

それと、音声って、映像とちがって個人を特定するにあたって微妙な部分があって、想像力も掻き立てられるじゃないですか。 この方ってどういう顔してるんだろうかとか。 例えば女性のポッドキャスターの番組を聞くと、妄想、じゃないけどさ(笑)、 男の人だったら、それぞれの自分の好みの女性を頭に浮かべながら聞いたりするでしょ?(^^)

だいたい声の好みから入って、あ、この声オレの好み、イコール、自分の好みの顔って感じで思い浮かべるとおもうんですよね。 そーゆー、ある意味「ファンタスティック」な夢も与えながらとゆーか。(笑)

本当に、音声でいろんな人がネットを通して不特定多数に語りかけてるってゆーのがこの上なく楽しいなと。

番組を探す楽しみ

かなり多くの番組を聞いてらっしゃいますよね?

ポッドキャスト番組を楽しく聞ける時間があれば、いろんな番組を探す楽しみっていうのが増えてくると思うんです。 音楽をBGMにして生活してる人って比較的多いとおもうんですよね。ラジオを聞き流しながらとか。 車に乗りながらラジオ聞いたりとか。

それと同じような感じでポッドキャストも聞いてもらえるといいなと思うんですよね。 ある意味聞き流しちゃって。 例えば、酒とダーツのF-1さんがなんか話してるのを、内容は全部入らなくても、あぁ、この声は元気にしてるんだなとかみたいな感じで、なんとなく安心しながら聞いたりしてるんです。

詳しい内容は頭の中に全部入んなくても、最悪ほら、あれ?いまなんだ?って思った時には、巻き戻して聴けちゃうのが、またラジオと違ってすごく便利なところで。

そんな感じなんで、みなさんバンバン番組を登録していってくれれば。聞く楽しみとゆーか探す楽しみですよね。

「探す」ってところに力がはいってますネ

オレね、自分で配信する以上に聴くのがとにかく好きなんで。

どうやってその番組は見つけるんですか?

あのね、パターンを自分の中で決めてるんですよ。 自分がたまに配信した時に、ケロログのトップページに行くと新着のところに表示されるんですけど、 それを確認した時に、その隣にある10個ぐらいのを聞くんですよ。 すごくランダムなんですよ。

ポッドキャスト番組ってテレビみたいに6チャンネルぐらいしか無いのとちがって、 それこそ何万チャンネルってあるわけじゃないですか。 それから自分のお気に入りを探すっていうのは大変なんですよ。 どこかでカテゴリ分けされてるかっていうと、そんなにきっちりカテゴリ分けされてないでしょ?

段原トラボルタさんとか神戸中年ステーションさんみたいに番組として内容がぶれないじゃないですか。 あの手の話を聞きたいときには、あそこへ行けばいいっていうのってなんとなくあるじゃないですか。 そうするとカテゴリって作りやすいと思うんですね。

でも、オレみたいにさ、 その日の気分でおかしい話もすれば、何々が最低でさみたいな話の声日記の人たちもいっぱいいるわけですよ。 そうすると、カテゴリってなんなのって。

日記ていうとすっごい数になっちゃって、 触手が伸びなくなっちゃうっていうのが自分の中では嫌だったんですよ。 そのかわり、新しい番組を聴くのは最初の10秒ぐらいですよ。 声質がすごく気に入って、あ、この人のしゃべり方とかちょっと聞いてみたいなってなったら、 その人のサイトにいって前後を聞かせてもらったりとか、 タイトルだけを読んでったりとか。 それで、この人ってなんか面白そうって、なんか自分が知りたい欲求が出てくるとiTunesに登録させてもらって。 気がつくと登録されてる番組が200ぐらいになっちゃったんだけどさ(^^) だんだん増えてくんですけど、意外と更新される人って少ないんですよね。

毎日200チャンネルの半分の100チャンネルが配信されるのかってゆーとそんなことはなくて。 意外と配信スパンが長い方がすごく多いから、聞くのにそんなに困るような感じじゃないんですよね

自分の中で新しい番組に出会える方法ってのを見つけてもらえると もっともっと聴くのが楽しくなるんで。 短めのでおもしろいやつとか結構ありますよ!

喋りたい時に喋りたい事を

ところで、配信についてお伺いしたいんですが、iTunesがポッドキャストに対応したころから始められたということだったんですけど、3~4年になるわけですよね?それだけ長い間配信を続けるってなかなか大変だと思うんですが。

や、大変じゃないですよ。大変だと思うときは配信しないから。(^^

配信はいつって決めてるわけじゃないんですか?

そぉ、不定期なんですよ。1103さんみたいに1日おきとかとても無理なんで、ようは喋りたくなった時とか、みんなに教えなきゃいけない!ってゆー欲求に駆られた時にしか録音しないんで、mokomokoVoiceを続けること自体は大変じゃないですね。録音自体はしてるんですけどね。

番組を貯めてあるということですか?

いや、普通にメモ書きするように声でメモをするってゆーボイスメモを昔からやってたんです。だから、録音は毎日してるんですよね。毎日10本ぐらいとか。くだらないのもあるんですけどね。牛乳を6本買ってくるとかね。

そんな感じで録音すること自体はしょっちゅうやってるんですけど、mokomokoVoiceとして配信するというのは、私が録音ボタンを押す回数の中では少ないんです。

だから、何年かやってるけどまだ500ぐらいしか配信してないんですよ。

500ってすごい数だと思いますけど。

ん、そーなのかな? そんな負担がかかるようなやりかたをしてないんで。 定期配信じゃないってゆーのが苦痛がない原因ですよね。

で、一応定期番組「The Dark Knight」を去年の暮れからはじめまして。

友人の方が喋ってる番組ですよね?(^^)

プロデュースも編集もアップも私がやらせてもらってるんですが、 友人のブラックモアさんはしゃべるだけっていう。

この番組は1週間に1回という縛りを設けてるんですけど、 やるときに一遍に6本ぐらい録りためちゃうんで、 今のところ、ストックがたまっている感じですね。 だから、それこそ向こう何年間も続けてられると思いますよ。 もっとも、みなさんが聞いてくれるくれないっていうのはありますけどね。

でも、最低一人の人は聞いてくれてるということなんで、その人に向けて放送するという感じです。

mokomokoVoiceもそうなんですけどね。 いつもね、特定の人だけに話をしてるんです。 だって、パソコンの前で話できないじゃないですか。

だから、パソコンにその人の写真を表示したりして、 「そのこ」に向かって、や、「そのこ」って言うと女の人って思われちゃうけど(笑)。 や、「その人」に向かってお話をさせてもらうという感じです。

だから、長くつづいてるのは、やっぱり喋りたい時に喋りたい事を配信してるからじゃないですかね。

あと、それに対する反応が必ず返ってくるということですね。 今は特にメールフォームをつけたんで、メールでもらったりとか。

けっこう反応はありますか?

ありますよ。文句言われる方もありますけどね。 最初もらった時はへこみましたけどね。(笑)

最後に、これからポッドキャストを始める方へアドバイスをいただけますか?

独り言とゆーかひとり突っ込み入れてる人って多いと思うんですよね。 そーじゃないよおまえとか。 そこちがうだろとか。 心の中で一人でつぶやいているより、ポッドキャストで吐き出した方が 気分がいいって。

作られた番組は作られた番組で面白い番組も結構ありますけど、 そういう番組ってエンターテイメント性が必要なんでむずかしいですよ。 無理して作るよりも、内なるものを吐き出してしまえばいいんじゃないかな。 そういうポッドキャストは訴えるものがありますよね。

あとはいかにたくさんの人に聞いてもらえるかどうか。 でもあんまりそれに一喜一憂する必要もないとおもうんだけど 登録者が一人いればその人に向けて話すればいいことなんで。

なるべく自分の中でシンプルにして、飽きずに長く続けられるような方法を確立してもらえれば。 なにがさみしいって、登録している番組が自然消滅しちゃうのってすっごくさみしいですから。

Podcast界隈:ポッドキャストに関わる方々へのスペシャルインタビュー

このコーナーについて

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがっていきます。ポッドキャスト界隈からの熱いメッセージをお届けします。

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