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インタビュー

Vol.10 女子だけ体育館に集合!! 女子4人の絶妙なバランス

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがう「Podcast界隈」。十回目となる今回は、ポッドキャスト番組「女子だけ体育館に集合!!」のメンバーの方々にお話を伺いました。

「女子だけ体育館に集合!!」は、手先あやのさん(役者)、きの子さん(クリエイター)、YASKEさん(デザイナー)、金子リチャードさん(脚本家)の女性4人がパーソナリティを務める番組で、男性の伊田さんがプロデュースをされています。

ネーミング先行

まず自己紹介というか、どういう関係なんですか?

金子リチャード(以下、リ):私が作演出している劇団で、プロデューサーの伊田さんに音響をやってもらっていたんです。

伊田(以下、伊):金子リチャードが演出で、もうひとり今日欠席の手先あやのがそこの劇団の女優さんという形で、この3人が繋がっているのと...

きの子(以下、き):手先あやのが、私ら双子と高校のときの同級生で、金子リチャードともその頃、高校で劇団を立ち上げた後に仲良くなって。

YASKE(以下、Y):いつもその劇団のチラシのイラストをお願いしたりとか。

:描いてたのはYASKEです。

:1回きの子にもお願いして。

:私とあやのちゃんと仲良かったので、後から劇団のチラシと関わるようになったんです。それから、私きの子とYASKEは双子です。声が一緒です(笑)。

ポッドキャスト番組を始めるきっかけは?

:女子の中で何かやりたいねと言ってるときに、「女子だけ体育館に集合」って面白くない?って言葉だけが先行してて、そんな時に伊田さんからやる?って。

:ネットラジオをやらないって誘ったんです。

:よい技術班見つけたみたいな(笑)。

:それで2年前、2006年6月くらいからスタートしたんです。

:「女子だけ体育館に集合」の構想自体は、その1、2年前からあって、タイトルだけ決定してたんです。

:でも誰も動き出さず、何の技術もないなぁという話をみんなでしてたんですね。

:そこに上手いことラジオできるよってことで、重い腰が上がって。これが地獄の始まりです(笑)。ぶっちゃけトークで、ネット界に垂れ流しで、女子4人はお嫁にいけない。どこの男子に聞かれてるかわからへん(笑)。

:コンセプトとしては、女の子たちの居酒屋トークみたいなものです。男からしたら、女の子たちがどんな話をしているのか知りたいと。

:男がいない空間で何を喋っているのか。男子1名を加えて喋ってます。

テーマみたいなものはあるんですか?

:事前に決めてます。たいてい脱線するんですけど。

:オチを決めてるときもあるんですけど、このあたりで落としてねみたいなのもあるんですけど、ほとんどお任せ状態。

:だいたい迷い込みますよね。

:迷い込んだらフェードアウトして終了(笑)。

:でも上手いこと落とすこともあるよね。

:上手いこと落としたときはみんなビックリする。「うわー、落とせたー」って。台本書いてもみんな素人ですから、読んでも棒読みになるし。役者もいますけど、台詞は得意でもラジオは素人なので台本はない方が面白いんじゃないかな。

:素人なりの面白さ。プロみたいにならないようにしてます。

番組を聞いたときに、電車に乗ってて、そばの女子のグループの世間話が漏れ聞こえてくる感じがするんですよね。

:今回の収録は、工房壱というYASKEが働いている手描きTシャツの場所なんですけど...

:手描きTシャツを作っているんです。その工房ですね。

:普段の収録は、近くの公民館とか、知り合いの小劇場の小屋を借りて、舞台とかで。寒いんですよ。

楽屋じゃないんですね?

:楽屋のあるようなところではないので。そこに機材持ち込んで、SHUREの58を4本持たせて喋ってパソコンに録ってます。マイクを持たせても、あらぬ方向にやったりとか。

ヘッドセットの方がいいんじゃないですか?

:ちょっと考えてるんですけど、音質がわからないんですね。試してみてですね。ラジオ始めて2年半で、番組の中身とかスタイルとかコンセプトもいろいろ試行錯誤してる感じです。

バラバラの4人が集まるから面白い

4人+1名でやってる良さとか悪さって何ですか?

:誰かが引っ張っていくんじゃなくて、全員やる気がないとも言えるかもしれませんけど(笑)、ポッドキャストに対して、こういう面白いものを作りたいとか、こっちにいきたいとかはあまりない4人だったりします。好みも方向も考え方も違うし、誰かがある方向に引っ張って偏るというのはないです。そういうバランスで動いていて、演劇をやってきた中で、こっちの方向に行こうよって声を上げることによってバランスを失うことを見てきたので、あまりそういうことはしたくない。それよりは、だらだらでもいいから長く続けたときに何が変わってるかが面白いかな。

4人という数は?

:たまたま、仲のよい4人というだけですね。意見が分かれても、全員が分かれるんじゃなくて3:1とか2:2とかになる。

:そうそう。4人が全員別の意見になることはないですね。話題によって組み合わせも変わるし。

:4人が持ってる女子らしさが少しずつ違って。3人知ってて、1人知らないということもありますし。

:でも、私仲間外れにされてるわというのもない仲なんですよ。だからこの4人でラジオやっていける。

:男の人やったら、目的で繋がれるけど、女の子ではそうはいかない。お笑いの男性コンビと女性コンビってそこが違う。女性コンビは絶対仲がよい。男性コンビは仕事だけでもできるらしいです。

:録ってる立場からしたら、4人という数は意図したものではないですね。たまたま集まったのが4人ですね。

でも、他の番組であまりないですよね。

:双子の姉妹が喋ってるのもないですよね。たまたま4人ですね。でも何か共通点があってバラバラの4人が集まるから面白い。

:悪い点は、収録のスケジュール調整ですね。生じゃないですけど、録ってすぐとタイムリーにはいかないですね。ただ聞いてる人からすると、4人の女子というのが珍しい、面白いみたいで、こっちからすると何でやろうと。

:それはみんなのギモンです(笑)。

リスナーの反応をイメージってしながら喋ってます?

:最初はイメージしてなかったです。同時に喋ったり、笑ってばっかりで何喋ってるかわからない。けど、最近は意識して喋ってます。

:最低限、聞きにくくならないようにだけ。こういう風に思ってもらおうっていうのはないです。

:興味ないときはボソっとしか喋らないし。

それはリアルですよね?

:ホンマの喋りとしてはリアルですけど、ボソっという喋りも聞かせたいですし。

そんなときはボリュームを上げるんですか?

:結構上げますね。

:私らの声がほとんど入ってない時もあるもんね。

:あやのが声デカすぎるねんな(笑)。

プロデューサーの存在

伊田さんが、プロデュースとかディレクションをやってるんですけど、役目って何でしょう?

:金子リチャードが学生だった頃、芝居の音響プランを出すんですけど、こっちが持ってきた音に対して、それは違うとか、ケンカというか。

:私は4人でやってるときは輪を大切にするし、伊田さんはこう思うところがあって、技術的なこともやってはるんですけど、私は4人でやったら何が面白いかを考えてるところもあるので。

:ぶつかることもあるけど、ポッドキャストって何が正しいってないですし、それも面白いかなって投げることもあります。逆に彼女たちが面白くないと思ってても、こっちで聞いてたらそれ面白いっていうのもありますね。

:それ、あるみたいね。こっちにしたら全然興味ないことを、それ面白いわって。

それ難しいですね。喋り手が興味なかったり、楽しくなかったりすることを喋るというのはしんどくないですか?

:逆に楽しんでるんです。それ面白いんやったら、もっと喋ろうかみたいな(笑)。

:プロデューサーっていってますけど、編集とか味付けとかはなく、打ち合わせでこれはいけるとか、喋ってみてこれは使えるとか結構ありますね。

素材任せですね。それは信頼感ですよね。

:そうですね。この話題やったらいけるとか、なんとなくわかります。プロデューサーというより、番組を客観的に聞いて、一緒に番組を作っていくという立場です。彼女たちは表現をすることを生業にしてますので、その素材を届けないといけない。彼女たちの持ち味をどう表に出すかということです。時には料理せずにぐちゃぐちゃのままで出すのも味かなと思ってます。

:伊田さんのそのやり方はすごく気に入ってます(笑)。

:今日はいないあやのも天然ボケなんですけど、この女の子4人、ツッコミがいないので、番組作るときにどうしようかと思うこともあります。材料ぶち込んで混ぜただけ、ツッコミなしでやってて最初は抵抗があったんですけど、聞いてくれる人が増えると、これもありなんだなと。ボケ4人でもいいんやなぁって。聞いてくれてる人がツッコんでくれてるかな。

ボク自身、ステージに立ちたいというのもあるんですけど、そのステージを作って行くのが楽しんですね。舞台袖でみてるのが好きなんです。

伊田さんはベースやってるんですよね?面白いですね。縁の下の力持ちみたいな。

:ベースでも目立ちたがり屋なんですよ。どうだ、これはオレが作ったぞ。派手なギターを弾いてる裏でこんなカッコいいことやってるオレを見ろって(笑)。

女子一同:ナルシストやなぁ~(笑)。

:裏方に徹したいけど、そんなボクを見てくれみたいな(笑)。

:ポッドキャストも作品として作っていくなかで、自分は表には出て行かないけど、見えない土台として欲していくし、女子たちが喋る思いが、せめぎあって、今の番組のスタイルは、今のところバランスよく行ってます。

女子一同:(伊田さんの話を聞かずに雑談)

:うるさいねん(笑)。エェこと喋ってるのに(笑)。

:さっきからな、蛇足なんですけどねっちゅーのが多いねん(笑)。

:ディレクターズカットって言ってるんですけど、過去に1回、女の子たちに収録をまかせて買い物に出かけたことがあったんですよ。後で聞いてショック受けたんです。悪口しか言うてないんですよ(笑)。

そこリンクしておきますね(笑)。

:編集しながら泣きそうになったもん(笑)。

女子一同:優しさの内やん。愛情表現やん(笑)。

4人でやる面白さ、辛さって、きの子さんどうですか?

:いいところは、楽しい。仲良い4人で集まってワイワイして楽しいですね。聞かれてるっていう意識がないし、録ってるということで充実感もありますし。不特定多数の知らない人に聞かれて、特に男子が聞いて、嫁に行けないのが不安です(笑)。

:婚期が遅れていくねんな(笑)。

:というくらい、身を削ったネタなんで(笑)。

YASKEさんは?

:ポッドキャストって知らなかったら楽しめなかったし、いろんな人とも知り合えたので楽しかったですね。あと、同じ種類の女子たちが集まったらいいのに。

何か企画しては?

:公開収録はやったんですよ。

:いつもお世話になっているニュートラルっていうカフェで、女性だけでイベントをやるっていう。私たちは喋り手としてやって、他にもニット、編み物、お習字、お花とか、女性の能楽師とか集めてやったんです。いい感じに盛り上がってましたね。

悪い点は、プライベートを晒してるので彼氏できたときに言えないなぁというのはありますね。

:ホンマに彼氏できたときは、そのネタはせぇへんと思うで(笑)。

最後に、これからポッドキャストを始める方にメッセージをお願いします。

:私たちみたいに身を削る必要はないと思いますけど(笑)、やりたいと思ってはるんやったら、デジカメのマイクでもできると思いますし、音声さえ収録できれば出来ると思いますし、やってみるのが一番いいと思います。面白いことをやりたいと思って配信するのもいいですし、やってみた反応が来ることが面白いと思います。私たちも聞きたいので、女子のみなさん、やったら連絡ください。友達がほしい(笑)。

:私もやろうと思ってやったんではないので、これからやる人はどうやっていいのか分からんと思うんで、喋りたいことがあっても。そんなこといろんな所で言ったら、やりたい人と一緒にやったらいいと思いますね。言わんことには始まりませんし。主婦の人とかOLの人とかやってほしいと思いますね。

:そうですね、技術面に関しては何も言えませんが、芸人みたいに作り込んだものが好きな人も、私たちみたいにプライベートを晒してるのが好きな人もたくさんいると思うので、あらゆるスタイルでぜひ女子に出てきてほしいなと思いますね。もしパソコン触れなかったら、その辺の男子に声かけたら、喜んで手伝ってくれると思うので、うまいことやってドンドン出てきて欲しいですね。

:上目遣いでお願いするねん(笑)。

それか、ウチのExPodでね(笑)。簡単に出来ますから。ココは切るかな…

:そこは使わないと(笑)。

:インターネットは良くも悪くもルールないので、細かい技術は後から付いてくるので、そこに興味を持ってくれたらいいなと。そんなフィールドですね。ネットラジオっていう固定観念に縛られず、ラジオという括りにせず楽しんでほしいと思います。

Podcast界隈:ポッドキャストに関わる方々へのスペシャルインタビュー

このコーナーについて

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがっていきます。ポッドキャスト界隈からの熱いメッセージをお届けします。

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