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インタビュー

Vol.12 アサカワズ プロデューサー目線

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがう「Podcast界隈」。12回目となる今回は、ポッドキャスターのアサカワズさんにお話を伺いました。

アサカワズさんは、ポッドキャストの黎明期から「ボイスブログ君」をはじめ様々な人気番組をプロデュースされています。

ブログ感覚で頻繁に更新

実はExPodの企画を検討しているときに、ネットであちこち調べていたら、 ポッドキャスト界には二人のカリスマがいるという記事が目に止まりまして。その一人がアサカワズさんで、ずっとどんな方だろうと気になっていたんですよ。

ありがたいですねー

まずは、ポッドキャストをはじめたころの話を聞かせていただきたいんですが。

ポッドキャストをやる前にですね、インターネットラジオをやってまして。

で、ポッドキャストがブームになるぞという話が出てきた頃に、SNSでつながっていた知り合いの方がやられたんですよ。ぱっと。

ポッドキャストを?

そうですね。 ま、インターネットラジオはやってたけれども、 あぁ、こーゆー風にRSSにMP3を配信する仕組みがあるんだなと思って、 それでケロログのアカウントとってやり始めたのが最初ですね。 2005年の1月ぐらいですね。

それはボイスブログ君ではないんですよね?

いや、ボイスブログ君なんですけど。最初はケロログ以外にも色々あちこち投稿してたんですよ。

ちょっとイヤラシイ話ですけど、 あちこちやってみて、ポータルサイトが今後どこが生き残るのかなって考えた時に ここかなってことで、現在にいたるって感じですね。 最初は、色々なところにツバ付けといたんですよ(^^;

その頃、ポッドキャストのサービスを提供してるところって色々あったんですか?

ケロログ以外にも、Seesaaなんかもその頃はじまってましたね。 あとは個人でやられているポータルサイトみたいなやつとか。 あと、デジオっていうあれなんかも古くからあったんで登録はしてたんですよね。

実はまだデジオの方にRSSは配信されてるんですけどね。 デジオ宇宙っていうところ行きますと まだボイスブログ君、載ってるんですよ。

実は、ボクがポッドキャスト的なものを知ったのってデジオが最初なんですよ。
だから「デジオ」という言葉を先に耳にしていて、しばらくしてから「Podcast」っていうカッコいい言葉があるのかと知ったような感じなんですよ。

あ、そうなんですか。 あっちの方が確か早かったんですよね。 ポッドキャストっていうしくみをつくったのは、ケロログより先のはずなんですよね。

番組は、インターネットラジオの内容をそのままポッドキャストに移してきたって感じなんですか?

いや、ポッドキャストに移すにあたって、 ブログ感覚で頻繁に更新ができるなっていうのがわかったんで じゃあ短く1回5分にしようってことになったんです。

インターネットラジオは結構長尺だったんですか?

そうですね。 長い時で1時間ぐらいやってましたね。 それを自分のホームページとかにリアルオーディオとかのアドレスを貼ってっていう感じでやってたんで、 効率が悪いっていえば悪かったんでしょうね。

1時間のものを5分にするってことは、かなり内容を練って凝縮させたって感じなんですか?

話してる内容はそんなに変わってないというか、収録自体は1回で10回分ぐらい録っちゃうので。

で、その時はタイマーをつかって強制的に終了するのが、逆に終わり方としてはおもしろいんじゃない? ってことになって。 なんていうのかな、煮え切らない感というか、 それを残した方が逆に次聞いてくれるんじゃないかなっていう戦略ですよね。

逆に言うと5分に区切ると毎日更新できるなって言う感じで。 当初は毎日更新してたんですよね。

やっぱり、何かしら毎日更新してると人の目にとまりやすくなるんで。 同じ50分でも、50分の番組を一週間に1回やってもなかなか人の目にとまりにくいけど、 50分を5分の番組で10回に分けた方がいろんな人が拾ってくれる可能性がある。 それがポッドキャストの仕組み的にはおいしいんじゃないかなっていうことですね。

ミクロな世界での幸福感

ポッドキャストってどんなところが面白いと思われます?

やっぱり、もともと僕も音楽からスタートしていて、 録音自体が好きなんですよね。

結構特殊だと思うんですけど、 マイクの性能がどうだとか、ミキサーの卓はこれがいいんだとかというレベルでボクは入ってるんで。

結構、機材周りも含めて好きなんですよね。

で、今のメンバーの役割ってそういう意味でははっきりしていて、 ボク自身は編集とか機材とか番組全体のプロデュースって感じなんですけど、 ゲストのブッキングとか、実際に何かイベントをやるっていうのはボクじゃない他のメンバーがやってるんで。

お互いに足りない部分というか得意な部分を合わせてやってるって感じですね。

ま、それが長くやっていくコツですかね。 っていきなり結論ぽいところにもっていっちゃいましたけど…

編集自体が楽しいっていうのも、分かる気がします。微妙に音量が納得いかなかったりとか。

そぉなんですよね。 すっごいミクロな世界での幸福感というか。 ここのおれのクロスフェードの処理は天才だな!とか、勝手にひとりで悦に入ってるとか。

非常に分かります(^^)!エフェクトとかEQとか。 誰も分からないんだろうなーとか思いながら、1kHzを3dB下げたりとか。

そうなんですよね。 ボクも、MP3にするんだったら16kHzあたりを無理やり上げとくか―!とか。 他人にとってはどうでもことなんだろうなーと思いながら。

(笑)!そういう楽しみ方もあるんですね。

あると思うんですよね。 もちろんおしゃべりが好きってことでやられてる方も多いと思うんですけど、 単純に録音が好きで自分のスキルアップにつながっていくっていうので好きっていうタイプなのかなって自分は思ってますね。

喋るのは嫌いではないですよね?

嫌いではないですけど、そっちの方でスキルアップを目指すってことは考えてないですね。 もっと喋りがうまくなりたいなーっていうのもそんなにないし。 なんか、そこはいいかなっていう風に自分では思いますね。

でも、おしゃべり上手ですよね。

それは、単純に回数をこなしてきたからってことだと思うんですよね。

どんな話でも爽やかな感じで聞こえてくるなって思ってるんですけど。

声質なんですかね? 割とアサカワズの声は聞き取りやすいっていうのは言われますけど。 自分では、自分が聞いている声と録音した声のギャップがあるんであんまり意識したことはないんですけど。

やっぱり、最初は録音した声って違和感ありましたか?こんな声じゃ恥ずかしくて人前じゃしゃべれないとか。

どうなんですかね? みなさんやり始めた時に同じ問題に当たると思うんですけど、 逆にどうやって克服したのかを聞いてみたいですけどね。

ぼくも編集マニアなところがあるんで(^^)、同じ所をものすごい回数聞くんですよね。自分の声を何度も何度も。 それで、ここちょっといじると結構いい声に聞こえてくるなとか。 ん?ひょっとすると声自体もそんなに悪くないんじゃないか?とかそんな感じで慣れてきたとゆーか。

ハハハ(笑)。 それめちゃくちゃ分かりますよ。

だから一時期は、他の誰よりも自分の声を聞く回数が多かったりとか。

そうですね、それは確かにありますよね。 で、メンバーの中でもこの人はこういう癖があるんだなとか、そういうのもすごいやっぱり蓄積されてくるから。

あぁ、この人は、何かを言う時にこういうことを言う癖があるなとか、 自分の中でデータベースがどんどん蓄積されていって、 あぁ、こいつやっぱりここではこの喋り方してるーとか、 そういうのも自分の中では楽しいんですよね。

グダグダした喋りなんかもあったりすると、 逆にそこをあんまりいじらないで、このグダグダ感はキャラクタとして生かすべきかどうかみたいなのを自分で勝手にプロデュースしてるんですよね。

アイドルマスターをやってるような感覚というか、 自分の中では、プロデューサー目線というのがあるんでしょうね。

このしゃべりを生かすも殺すもおれの編集加減ひとつなんだよなっていうのがどこかにありますよね。

この喋り面白いんだけど、どうしよう?残そうか、消そうかとかありますよね。

それはありますよね。 トークの毒のさじ加減ってのは、その人の個性が出ますよね。

バイオリズムに合わせて配信

番組の配信は割と不定期ですよね?

僕たちの番組っていうのは、配信日とか曜日とかで決めてないんで、結構気まぐれって感じですね。

それは、決めちゃうと面倒になるとか?

うーん、どうなんですかね? 最初、毎日更新していたときは、更新日に追われちゃうというか、 自分の中でそれが脅迫観念のような感じになっちゃうというか。 そうなってくると、本当にただの作業って形になっちゃうのかなって思って。

だったら、生放送みたいにリスナーがパソコンの前で待ってるって状態じゃないんだから、 自分たちのペースで配信すればいいんじゃないのって言う風になって。

それじゃあ、明日あたり録ろうか?って感じであつまるんですか?

いや、番組自体は録りためてあるんで、後はボクのタイミングというか、 バイオリズムに合わせて配信してます。

どうしたら、長く続けられるんですか?

簡単に言うと、努力しすぎないってことなんじゃないかと思うんですけどね。 ゆるーく、っていう感じなんですかね…

当時、一緒にやっていたポッドキャストの人たちとかみると、燃え尽きちゃった人とかいるんですよね。 ある時期にガーっとポッドキャストやりすぎてしまって。

で、どこかでホワーっと、いつのまにか更新が止っちゃったりみたいな。

だったらもうちょっと、ゆる~くなが~くやってった方がいいんじゃないのかなとは思いますね。

やっぱり、その分、他に色々なポッドキャスト以外のことを吸収しながらいかないと どうしても視野が狭くなってきちゃうと思うんですよね。

どっちかというとボクは広く浅くってタイプなんでって感じですね。

これまで続けてきて、これは面白かったぞというのは?

そうですね。 例えばリスナーさんと初めてあったときに、 リスナーの方は僕の声とか知ってるんで、 声で気がついて、あ!ひょっとしてアサカワズさんですか? っていうのは結構びっくりしましたね。

声優さんとかの仕事でもやってないとそんなことってないだろうと思ってたんだけど、 普通に普通の一般人がポッドキャストやってるだけでもそういうことってあるんだなっと思って。

さっき、Skypeがつながった時に「オ!本物のアサカワズさんだ」って思いましたよ。(^^)

あーそういうことなんですかねー。

声を聞いてるから、話しの入口がスムーズにっていうのがあるんでしょうね。 だから、 ポッドキャスター同時、お互いの番組を聞いてたりすると、すんなり入っていけるのかもしれないですね。

これからポッドキャスト始めたいっていう人へのアドバイスを。

あのー僕の好きなミュージシャンが言ってたことなんですけど

アドバイスっていうのは積極的に人に聞いといて、 全部それを聞き流して実行しろっていう。

アドバイスを聞くって行為自体はすごくいい行為なんだけど それをそのままやるんじゃなくて、 自分の思ったことをやればいいんじゃない? っていうのがすごく感銘を受けた言葉ですね。全部無視しろと。

逆にいうとそれが僕のアドバイスですね。(^^)

Podcast界隈:ポッドキャストに関わる方々へのスペシャルインタビュー

このコーナーについて

ポッドキャストに関わる様々な方にお話をうかがっていきます。ポッドキャスト界隈からの熱いメッセージをお届けします。

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